散れども切れぬ備忘録

代数学やその他数学に関することなどをそこはかとなく書きつくる備忘録

近代のガロア理論と参考文献

題名の通りです。
近代のガロア理論に関するpdfを書いたので、演習問題と共にここに公開します。

[注意事項]
・前提知識は群論・体論の初歩です(少なくとも高校数学ではない)。
・結構読みにくいと思います。ご注意ください。
・誤字等ありましたらご連絡ください。

drive.google.com

【演習問題】
(1)S_2,S_3,S_4が可解群であることを示せ。
(2)素数p>3に対しS_pが可解群でないことを示せ。
(3)可解群の部分群は可解群であることを示せ。
(4)5以上の自然数nに対しS_nが可解群でないことを示せ。


【追記】
このpdfの他にもガロアの業績について纏められた文献が数多く存在します。それらの一部(私が特に優れていると思ったもの)を紹介します。

金重明 ガロアの論文を読んでみた
拙pdfの最後にも書きましたが、最も参考にした本です。ガロアの論文の行間を埋めてくれているので読みやすいです。ちょっとした背景の紹介もあります。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%81%AE%E8%AB%96%E6%96%87%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%BF%E3%81%9F-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-%E9%87%91%E9%87%8D%E6%98%8E/dp/4000296779
Amazonの評価だとコロラドさんのものが最も参考になります。購入の検討等される場合は読んでみてください。

・三森明夫 ガロア論文の古典的証明
これもpdfの最後に書いた参考文献です。
前提知識の解説、第一論文の和訳・解説、現代の(古典的)ガロア理論の解説が130p程のpdfになっています。古典的ガロア理論の前哨戦として近代のガロア理論をやるならこれを読むのが一番オススメです。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://scipio.secret.jp/Galois/galois_zenbun.pdf&ved=2ahUKEwiTl6zSq7XlAhUDyosBHdTlCTkQFjAZegQIAhAB&usg=AOvVaw0HFDMcVTbetnoBNlrfvdZi&cshid=1571935452700

・中西達夫 Gの夢
ガロアの論文に沿った解の公式の導出が見所です。第一論文の和訳ではないものの、会話形式なこともあり分かりやすいです。
http://galois.motion.ne.jp/index.html
特に参考文献の欄が充実しています。(古典的)ガロア理論を学ぶ際にも参考になるでしょう。
http://galois.motion.ne.jp/stories/G_Refer.html

・渡部一己 ガロアの第一論文を読む
第一論文の和訳とその背景の解説、及び前提知識の解説がpdfとして載っています。190pを超えるものの、記述がとても丁寧です。
https://sites.google.com/site/galois1811to1832/

・Bernard Bychan The Evarisre Galois Archive
題名・著者名から察せるように、本文は英語になっています。ガロアの原論文とその英訳等が読めるようです。
http://www.galois-group.net/