メモです。
2020年の年末くらいに考えていた「淡中の補題の 単位元の普遍性を用いた別証明」の解説です。
[定理](米田の補題)
を局所小圏、
を関手、
を対象とせよ。
このとき、集合としての同型
がある。
[略証]
この同型はによって与えられ、
これの逆はによって与えられる。
ただし、に対して
とする。
[補題](表現対象の普遍性)
関手が
で表現可能
( )
⇔
の元
があって、
任意のに対して
となる
が一意的に存在する。(☆)
[証明]
米田の補題より、を取って
が同型⇔(☆)
を示せばよい。
は自然変換
であった。
故に、
が同型
⇔の全ての成分が同型
⇔任意の対象に対して
が同型
となる。
だから、
これが同型であること
⇔が一対一対応を与える
⇔各に対して
が定まり、
となる
となる。
なので、これは(☆)と同値である。 ■
さて、モノイドに対する淡中の補題とは以下の主張であった :
[定理](モノイド作用付集合の淡中の補題)
忘却関手は正則加群
で表現可能である。
これは先の補題を用いれば次のように言い換えられる :
[命題]
(集合としての)の元
があり、
任意の-集合
と(集合としての)
の元
に対して
となる
-準同型
が存在する。(☆)
これはより簡潔に書けば
[命題]
をモノイドとする。
このとき、任意の-集合
のその元
に対して
となる
-準同型
が存在する。
となる。
これは実際に成り立ち、を
の単位元とし、
とすればよい。
このときが
-準同型であることと一意的であることは自明であるものとする。
また、この事実は以下のようにも表現(expression)できるだろう :
モノイドの単位元
(或いは単位元を取る射
)は次の意味で普遍的である:
どんな-加群
とその元
(或いは元として
を取る射
)に対しても、射
が一意的に存在し、
を満たす。
なお、このは
で与えられる。
これはモノイドの単位元が或る意味で"普遍的"である(普遍性を持つ)ことを言っていると考えられる。