メモです。2020年10月あたりから考え始めて、2021年5/12に解決した、淡中随伴の証明をします。 まえがき 反変随伴 淡中随伴 準備 圏の構成 関手の構成 単位の構成 余単位の構成 証明 まえがき 淡中随伴とは、大雑把に言えば 圏MonVと圏V-Cat/Vの間に 関手End…
3/8に考えたことのメモです。以前書いた『淡中再構成(環上の加群)』という記事*1において、「何故 群環/多元環/リー環 の表現は その上の加群を考えるのか」という問いを掲げ、その答えとして「環上の加群の淡中双対があるから」を提示しました。 しかし、「…
2月半ばに考えて2.20に解決した問題のメモ・解説です。 問題は「モノイダル圏のモノイド対象の中心はまたモノイド対象となるか?なるなら可換なのか?」です。 ネタバレしておくと、肯定的に解決できました。 以下を(完備な)モノイダル圏とし、をそのモノイ…
メモです。 2020年の年末くらいに考えていた「淡中の補題の 単位元の普遍性を用いた別証明」の解説です。 [定理](米田の補題) を局所小圏、を関手、を対象とせよ。 このとき、集合としての同型 がある。[略証] この同型はによって与えられ、 これの逆はによ…
メモです。 2021.02初旬に考察した「剛モノイダルなカルテシアン圏はどのようなものが存在するか」という問に対する答えです。 をカルテシアンモノイダル圏*1とし、さらに剛モノイダル圏であるとする。 対象の双対対象をと表すことにする。よく知られた定理*…
メモです。 2021.1.27に考察した「自己準同型を集めるとモノイドになるが、これは豊穣圏でも成立するか?」という問題に対する答えをまとめておきます。 をモノイダル圏、を-豊穣圏とせよ。 -豊穣圏には、 Hom集合にあたるものとして 、 射の合成にあたるも…
メモです。 2021.1.08に発見した「中心の普遍性」についてメモしておきます。 以下を(対称閉)モノイダル圏とし、をそのモノイド対象とする。 が以下を満たすとき、これをの中心と呼びと表す。: ①の射がある。 ②は任意のに対してを満たす。*1 ③と射があり、こ…
メモです。 2020.12.18にTwitterにて「米田の補題の直感的で雑なお気持ちの理解」をテーマに連続ツイートをしたので、それを一部修正しつつ、はてなブログにもまとめておきます。 「圏、関手、自然変換の定義は知っていて、Hom関手が関手になることもわかっ…
【この記事は アドヴェントカレンダー Math https://adventar.org/calendars/5029 の6日目の記事です】今回は、以前書いた『 淡中再構成(モノイド作用)』を一般化して、モナドとその加群*1についての淡中再構成を証明します。 前提知識は以前と同様に圏論の…
今回は環とその上の加群の圏の淡中双対を紹介します。 内容としては『淡中再構成(モノイド作用)』( https://zangiri.hatenablog.jp/entry/2020/03/19/152756 )とほぼ同じですが、これを環上の加群についての議論に持ち上げます。よって、アーベル群の知識が…
以前 『淡中双対(モノイド作用)』(https://zangiri.hatenablog.jp/entry/2020/03/19/152756)という記事を書きました。これはもう題名の通りで、モノイドとその作用付集合の間には淡中双対と呼ばれる双対の関係がある、という内容でした。 今回もこれと全く同…
7/12に行われたオンラインゼミで量子不変量に関する発表をしてきました。 その時のスライドショーを公開します。 質問等あればTwitter(@zangiri_two)で言って頂ければ対応します。[前提知識] 大体『圏論の基礎』を読み通していれば大丈夫です。 目安としては…
圏論を始めたばかりの頃に米田の補題の証明を追った時のメモです。 手書きなので字が汚い上、一部変な仮名遣いになってますが、解読できれば有益だろうと思いましたのでここに画像として上げておきます。 Twitter(@zangiri_two)の方に連絡して下されば 字の…
題名の通りです。 備忘録なので多少雑に書きますが、できる限り丁寧に書きます。 まえがき 第一部 ベクトル空間のことば アーベル群 アーベル群の演算 体 ベクトル空間 ベクトル空間の演算 ベクトル空間のテンソル積 第二部 圏論のことば 圏 様々な圏・射 関…
題名の通りです。 双対対象(ベクトル空間に対する双対空間のようなもの)を持つ圏をRigid monoidal category(和名:剛モノイダル圏)といい、内部Hom(ベクトル空間に対する写像空間のようなもの)を持つ圏をClosed monoidal category(和名:閉モノイダル圏)といい…
淡中双対の簡単な例(モノイド作用を使った例)を紹介します。※この記事では米田の補題(『ベーシック圏論』第4章までの内容)は既知とします。 Terminology モノイドの圏 モノイド作用の圏 前層圏と米田の補題 Lemma Main Theorem Terminology 以前『有限群の淡…
フィルター空間と呼ばれる「空間」に関する議論の紹介・覚え書きです。何か致命的な間違いがあれば教えて下さると助かります。 フィルターとフィルター空間 フィルター フィルター空間 フィルター空間の性質 フィルター空間の開核・閉包 開集合・閉集合 分離性 …
題名の通りです。九大の院試の過去問を 代数学を中心に解いてみましたので公開します。元の問題はこちら( https://www.math.kyushu-u.ac.jp/entryexams/view/6 )から見ることができます。※間違い等ありましたらお教え下ると助かります。 2020年度専門科目 [1…
余代数について調べていた所、「(もっと一般にカルテシアン圏)上の余代数構造は一意に定まる」という文を見つけました。「ほんまか?」と思い色々考えていたのですが、どうやら簡単に示せるようなので、備忘録も兼ねてブログにします。 前提知識は圏論の初歩…
今回も前回( https://zangiri.hatenablog.jp/entry/2019/10/18/202302 )、前々回( https://zangiri.hatenablog.jp/entry/2019/10/17/023930 )に続き、有限群の淡中再構成を紹介していきます。 さて、いくつかの補題と主定理の証明をします。 補題3 補題4 補…
前回( https://zangiri.hatenablog.jp/entry/2019/10/17/023930 )に引き続き有限群の淡中再構成を紹介していきます。今回はいくつかの補題を述べたいと思います。 補題1 補題2 補題1 [補題1] 有限群とその元及びの表現に対して 線型写像を と定義する。 この…
2,3回に分けて、「有限群をその表現の成す圏から復元する」という淡中再構成(Tannaka Reconstruction)の一例を紹介します。初回となるこの記事では、主定理の主張とその証明をするための前提知識の紹介をします。この記事を読むために必要な知識は群論と線形…
題名の通り、多項式に超越数を代入した値の超越性についての備忘録です。備忘録なので雑に書きますが御容赦下さい。さて、本題ですが、二つの定理(一つのよく知られた定理とそのちょっとした拡張)を紹介します。以下、単に多項式と言えば有理数係数の一変数…
備忘録です。 群の圏Grpとアーベル群の圏Abの間には随伴関手があります。これを説明しました。短いので画像にしています。 「何を言ってるのかわからない」という方は群論の教科書とベーシック圏論の1,2章を読むといいでしょう。もしくは散切に聞いてくださ…
今回のブログは群論のようで体論のようでどちらでもない、つまらない備忘録です。 話のネタ程度に見て頂ければ、と思います。 [定義] 群Gとその部分群Hに対し、差G\HをGのHによる差群と呼ぶ。 ※差群は単位元を持たないため群ではない。 ※勿論一般的な用語で…
題名の通りです。 近代のガロア理論に関するpdfを書いたので、演習問題と共にここに公開します。[注意事項] ・前提知識は群論・体論の初歩です(少なくとも高校数学ではない)。 ・結構読みにくいと思います。ご注意ください。 ・誤字等ありましたらご連絡ください…
今回は題名の通り指数と超越数の関係について紹介します。備忘録なので結構適当に書きます。予め御了承下さい。 §1導入と補題 §2本題(超越数の指数) §1導入と補題 この世にはゲルフォントシュナイダーの定理という定理がありまして、ステートメントは以下の…
この記事では「フィボナッチ数」とその逆数和について、ある面白い性質を紹介したいと思います。 フィボナッチ数の一般項も一から導くので「隣接三項間漸化式なんてワケワカメや…」という方も安心してください。 §1フィボナッチ数とその一般項 §2逆数和とそ…
今回は最近うだうだと考えていたことを吐き出したいと思います。吐き溜めかつ備忘録なので適当に書きます。予め御了承下さい。 ネイピア数が階乗の逆数和で表されるというのはご存知でしょうか。母関数()を考えて微分方程式を解けば一発KOですね。で、階乗の…
《この記事はアドベントカレンダー「数学」(→https://adventar.org/calendars/3185 )の16日目の記事です。》 完全に私事なのですが、かなり前に「超越数論入門」と題して超越数論の基本をまとめました。そこでちょろっと紹介した「代数的数全体の集合は体を…